はじめに
本記事では、理学療法の考え方について解説しますが、作業療法や言語聴覚療法でも考え方は同じです。AIには書けない部分まで、できるだけわかりやすく説明していきますので、最後までお付き合いください。
1. 情報収集
事前に情報収集が出来るのであれば、時間が許す限りバックグラウンド把握に努めます。
状況によってとれる時間が全然違うので、優先順位をもって情報収集をすることが大事となります。
効率よく正確かつ最新の情報を収集するため、必要に応じて治療中や治療後にも情報収集を行います。
- 基本情報 :
氏名、年齢、性別、BMI など - 社会的背景:
職業、家族構成、発症前のADL、家屋構造(階段の有無など)など - 要望・訴え:
患者Hope 家族Hope、Need - 医学的情報:
診断名、現病歴、既往歴、画像データ(レントゲン・MRI)、血液データ、心電図、
投薬状況、安静度、普段のバイタル、他部門からの情報など
目標を立てる時に、発症前のADL能力は最も重要な指標となります。本人と意思疎通が図れない場合は施設職員や家族などから聞き出すしかないので、聞けるチャンスがあれば必ず聞くようにしましょう。
また、家族構成や家屋構造を聞くときはプライバシーに配慮しましょう。赤の他人に家族構成なんか言いたくない人もいます。必要な情報、または必要かもしれない情報だけを、周りの人にできるだけ聞こえない様にして、情報収集しましょう。
- 患者Hope(本人の主観的な希望)
- 本人が望むゴール。
- 実現可能かどうかは関係ない。
- ポイント: 病識(自分の状態への理解)や性格、価値観が強く反映される。
- 家族Hope(家族の主観的な希望)
- 家族が本人に望むこと、あるいは家族自身の負担軽減に関する希望。
- 実現可能かどうかは関係ない。
- ポイント: 介護力や住宅環境など、現実的な生活背景が反映される。
- Need(ニード / 必要性)
「本人が望むことの範囲内で、評価により導き出した実現可能でかつ最も必要なこと。」
評価が終わらないとNeedは導き出せない。
ゴールは「評価により導き出した、実現可能な最も必要なこと。」
※ここでのズレが重要: 患者は「自宅に帰りたい」、家族は「(介護が大変だから)施設に行ってほしい」というズレを把握することが、その後の支援の鍵になります。
2. 検査・測定
問診・視診・触診・聴診
- 問診:主訴 その他の訴え。
- 視診:浮腫(むくみ)の有無、筋肉の萎縮、姿勢、表情、顔色、呼吸、皮膚の状態など。
- 触診:熱感、圧痛、筋肉の硬さ、筋収縮、脈拍、脈圧、胸郭の動きなど。
- 聴診:肺音、心音
意識
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精神状態・知能(認知症含む)
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形態測定
最初に簡単にみて、特に問題なさそうなら計測しない。
計測するのであれば、必ず左右差や変化を見る事を忘れない。
- 周径 : 筋萎縮や腫脹の指標となる
- 四肢長:動作の安定性などに影響する為。脱臼の指標となる事もある
- 変形 :FTA、側弯、外反母趾 などをみる
腱反射・病的反射
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筋緊張
理学療法の中心となる具体的なテストです。
- 関節可動域測定(ROM): 関節がどこまで動くか。
- 徒手筋力テスト(MMT): 筋肉の強さはどれくらいか。
- 感覚検査: 触った感じや痛みの感じ方に異常はないか。
- 反射・筋緊張検査: 神経系に問題がないか。
6. 基本動作・歩行分析
動作そのものを観察し、**「動作を阻害している要因」**を特定します。
- 基本動作: 寝返り、起き上がり、立ち上がり、座り直し。
- 歩行分析: 歩幅、リズム、ふらつき、代償動作(不自然な動き)の有無。
7. 統合と解釈(アセスメント)
ここが理学療法士の腕の見せ所です。集めたデータをつなぎ合わせます。
例: 「膝の痛みで歩けない(主訴)」原因は、「筋力低下(MMT)」ではなく、「関節の硬さ(ROM)」と「家屋構造(階段)」の組み合わせである、といった推論を立てます。
8. ゴール設定と治療計画
- 短期目標: 2週間程度で達成可能な目標(例:平行棒内での自立歩行)。
- 長期目標: 最終的な到達点(例:屋外独歩で買い物に行く)。
- プログラム立案: ストレッチ、筋力トレーニング、歩行練習などの具体的な内容を決定。
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